運送業の事業用車庫の新設・移転の認可申請
運送業者が事業用の車庫を新設したり、移転したりする場合は、事業計画の変更認可申請という手続きが必要です。
申請から認可、認可後の流れ
(1) 施設が適法かどうか等の確認
車庫の法的要件
1.車庫の広さ
事業用の車両が十分に置けるスペースがあること。
具体的には、壁・境界・隣の車両との間隔が50cm以上あること。
月極め駐車場のする場合
月極めの1台置き駐車場の場合は縦1m横1mずつの余裕が無い場合が多く車庫の要件を充たさない場合が多い。そのため2台分スペースを1台分として借りて幅の要件をクリアすることで対応可能です。
複数の車両を一箇所でおく場合
広い車両置き場を借りてそこに複数台数置けば、車両間スペースを共有できるので1台ごと個別に置くより確実に省スペースですみます。
2.場所的な要件(用途地域)
都市計画法の用途地域によっては、車庫と認められない場合があるので注意が必要です。市街化調整区域でも大丈夫ですが農地はダメです。(地目が農地だと農地転用が必要です)
3.前面私道の通行承諾
平成27年6月1日より公示基準に下記が加わりました。
「前面道路が私道の場合にあっては、当該私道の通行に係る使用権原を有する者の承認があり、かつ、事業用自動車が当該私道に接続する公道との関係において車両制限令に抵触しないものであること」
ですので、公道までに私道を通らないといけない場合は、私道の通行について承諾が必要になります。
4.前面道路の幅員
車庫の前面道路の幅員が車両制限令に違反していないこと。
・国道の場合は原則どこでも大丈夫です
・基本的には6.5mの幅員があれば2.5mまでの車両であれば問題ありません
※幅員証明を取得して車両制限令に違反している箇所でも可能な場合があります。一度ご相談下さいい。
5.営業所からの距離
営業所から直線で10km(東京23区、横浜市、川崎市に営業所がある場合は直線で20km)以内であること。都道府県をまたぐことは問題ありません。
※実際に走る道路の距離ではなく直線距離で図ります。
6.事業用車庫専用であること
事業用の車庫を白ナンバー乗用車、軽自動車と兼用にはできません。さらに資材置き場などの区画も事業用車庫の面積に含めることはできません。
事業用車庫の新設移転の手続きの流れ
1.車庫の要件を確認
2.事業計画の変更認可申請書を作成
3.申請する営業所所在地を管轄する運輸支局に申請
4.補正の指示があれば補正に対応(約1ヶ月)
5.認可証を受け取る
認可が下りるまで車庫はどうなるのか?
車庫の移転の場合、認可が下りるまでは旧の車庫が有効です。
認可が下りた瞬間に旧の施設は運送事業用としては使うことができなくなります。
車庫新設の場合はそのようなことを考える必要はありません。